人工授精で生まれてきた少女アミは、本当の父親である精子ドナー307を探している。一方、アミの異父兄である知的障害者のタクヤは、「僕のうさぎ」を探し求めている。2人はある夏の夜、深夜バスで龍飛岬に向かい、診療所を営む高森を訪ねた。高森こそは精子ドナー307であり、いつしか2人は高森夫妻と共同生活を始めるが…。
桜井亜美の同名小説を、ビデオクリップ出身の映像派、下山天監督が映画化した異色青春ファンタジー。一風変わったアングルや色彩感覚に、この監督ならではの意気込みを見いだすことができよう。竹内結子と安藤政信、この若き主演2人がくり広げる、繊細かつ慈愛に満ちつつも、どこか乾いた透明な関係性も印象的である。(的田也寸志)