楳図かずおの名作コミックを、『恋する幼虫』『卍』などでカルト的人気を博している井口昇監督が映画化した、快作にして奇作。タイトルロールの猫目小 僧は、300年に一度しか生まれない猫又の子として誕生するものの、人間に近い姿をしていることで妖怪一族に見捨てられるという、哀しい過去を背負た孤高のヒーロー。
ところがその悲劇の主人公・猫目小僧を、井口監督は大胆この上ない表現手段をとって映画に登場させた。「そのまんまやないけ!」とツッコミを入れたくなるほどベタなマスクをつけた猫目クンは、白昼堂々と出現し、姉弟と交流するばかりか、村人を襲う妖怪にも単身戦いを挑むのである。そのビジュアルの 開き直ったような明るさに、時に戸惑いをや苦笑を覚えるものの、決して不快ではないあたりが本作の奇妙なテイストだ。
それにしても、ラストで石田未来演じる少女を妖怪が襲うくだりで、石田の口に異物が入って行くくだりは、井口監督が美少女スカトロAVの名匠であることを考えると、不埒なイマジネーションをかき立てられてしまう。(斉藤守彦)