『ひろみの歌にいたいけな小学生は性への好奇心を掻き立てられた』
最近では「ダ・ヴィンチ・コード」が世界的な大ベストセラーになったけど、郷ひろみが「モナリザの秘密」を歌った翌1974年は一大モナリザ・ブームの年だった。上野の東京国立博物館に本物の「モナリザ」がやって来たのである。
「モナリザの秘密」は前年の12月にリリースされてるので、つまりモナリザ・ブームを当て込んでリリースされた訳ですね。
実際にモナリザが来てからは、皆が思ってたよりずーっと絵のサイズが小さかったって事が巷の話題になってた記憶がある。
「モナリザの秘密」は、バロック調(って言ってもプログレの文脈なんだろうけど)で始まる格調高いイントロで、岩谷時子が詞を担当してた初期郷ひろみ作品の中でも傑作の部類だと思う。♪君はモナリザ 僕を狂わす 謎の微笑みよぉー ナゼェーーーィ 心を開いてくれないーィー?って、モナリザの絵の前でひろみが真剣に歌いかけてる図を想像して思わず笑ってしまう。
それにしても「モナリザの秘密」の前後の「裸のビーナス」とか「花とみつばち」はさらに印象深い。当時、小学生だったんだけど、家族で、休日にマイカーなんぞ乗ってると、父親がAMラジオなぞを無造作にかける訳だ。そうすると不二家歌謡ベストテンなんかやっていて、ひろみの破廉恥な歌がかかる訳。♪可憐な裸のビーナスぅー とか ♪まぶしいのははーだかのムネっさぁー とか ♪ゆーびをかーたく絡ませ背中にくちづけぇー とかやられると、まだウブな小学5年生はひとり赤面する訳ですよ。家族団らんの空気をひろみの歌が一気にかき乱すのである。毎度毎度AMラジオのスイッチに手を伸ばす父親の無神経さに、当時ヒジョーにいらだった覚えがある。
そんな感じで、ひろみの歌にはまだ知らぬ性の喜びを垣間見せてもらった気がする。
ちなみに上野動物園でパンダのカンカン、ランランが公開されたのは1972年。1970年には万博もあったし、70年代は世界中から色んなものがやって来たものだなぁ。